リオオリンピック男子シングルス決勝観戦記

安全性を担保しつつリスクをとる。そんな極限状態のショットが交わされる至高のラリー。しかも一つ一つのラリーが長い。先に心が折れるのはどちらなのか。この試合の焦点はそこにあった。 金メダルへの渇望度も互いが背負う背景を鑑みればそれは5分5分。両選手の技術とフィジカルに文句の付けどころはない。そしてこの試合は運に左右されたものでもなかった。結果は中国のチェン・ロンに軍配が上がった。チェン・ロンのその「心の安定」はレジェンドと言われながらも今なお最高のコンディションを保つ大先輩をも凌駕した。 気負わない、強がらない、恐れない、運に頼らない。チェン・ロンという選手は世界のTOPグループに顔を出したときからその点が秀でていた。ただしさすがにその「究極レベルの心の安定」はどの大会でも発揮できるほどたやすいものではない。だからすべての大会を勝つわけではない。1回戦負けもしばしばやらかす。

しかしここぞというときにはその「究極レベルの心の安定」を引き出してくる。そして究極の技術と究極の身体能力を掛け合わせてその時は頂点を取る。それが2014年、2015年の世界選手権優勝、そして2016年リオ五輪の金メダルという結果で証明された。 長年に渡り、リン・ダン、リーチョンウェイを崇拝し続けてきた我々ファンもいよいよその事実を認めざるを得なくなった。「今、一番強いのはチェン・ロンである」 リオオリンピック男子シングルス決勝戦

チェン・ロン(中国) 21-18,21-18 リー・チョンウェイ(マレーシア)

この試合の動画(NHKサイト)


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